海外旅行では美術館・博物館を訪れる人も多いと思います。
ヨーロッパの美術館の多くは日本で美術館や美術展に行くよりも敷居が低いなと、いつ行っても感じます。
それは中で小学生のグループが本物の有名作品を前に自由に鑑賞しているからなのか?
アーティスト志望の学生がスケッチブックを持って模写しているからなのか?
観光客が自由に自分の好きな作品をカメラに収めているからなのか?
オランダを訪れた際にはぜひ、気軽に美術館に入ってみてほしいと思います。
こちらの記事では、私が実際に訪れてみて、ぜひおすすめしたいと感じた美術館と、見どころをお伝えしていきます!
オランダの美術館の多くは入館料がかかります。
が、アートを愛すれば愛するほどお得な、安く入館できる方法を記事中でご紹介します。
ぜひ最後まで楽しんでお読みください。
オランダでおすすめの美術館その1:国立美術館 (アムステルダム)
国立美術館は、2013に10年ほどかけた改修を終え、再オープンを果たしました。
この改修により、中世・ルネサンスから20世紀までのオランダ芸術と歴史を、時系列で観ることができるようになりました。
毎年のようにオランダ全土の美術館・博物館で来館者数ナンバー1を誇る美術館。
インテリアからしても、収容作品からしても、オランダナンバー1と呼ぶにふさわしい美術館といえます。
これでも建物の半分
国立美術館のハイライト
国立美術館には、オランダ黄金時代を中心に、近現代までの芸術作品や工芸品のコレクションがあり、その数は8000点にも上ります。
なかでもいちばんのハイライトはレンブラントの「夜警」でしょう。
この3.63 x 4.37メートルもある巨大な絵画にはなんと、専用の鑑賞室があてがわれており、一日中、世界中の熱心な美術愛好家が絶えることがありません。
フェルメールも、オランダを代表する画家で、知らない人はまずいないでしょう。
国立美術館には、フェルメールの「牛乳を注ぐ女」が展示されています。
フェルメール「牛乳を注ぐ女」 – Photo by Sara Platon
その他にも、何世紀にもわたる年代の絵画、アジアンパヴィリオン、家具や調度品、楽器等、誰でも必ず興味のあるものが見つかります。
それだけでなく、中庭や美術館の建築それ自体も見ごたえがあります。
特に美術館の真下を打ち抜いて自転車専用道路が通っている「パッサージュ」は、個人的にとてもユニークで気に入っています。
美術館のインテリアを横目に自転車がびゅんびゅん走り抜けて行くのは、オランダならでは!
美術館内の「カイパース図書館 (カイパースは国立美術館の建築デザイナー)」は世界一美しい図書館ともいわれ、必見です。
世界一美しい図書館とも呼ばれるカイパース図書館
国立美術館の所在地・開館時間・入館料
開館時間 | 9:00-17:00、年中無休 |
所在地 | Museumstraat 1, 1071 XX Amsterdam |
行き方 | アムステルダム中央駅よりトラム (路面電車) 2番または12番に乗車、 [Rijksmuseum] 下車すぐ |
入館料 | 大人€19.00、18歳以下無料 |
オランダでおすすめの美術館その2:マウリッツハウス (デン・ハーグ)
デン・ハーグの中心街に位置するマウリッツハウス美術館の美しい建物は、ヨハン・マウリッツ・ファン・ナッサウ=ジーゲン伯爵の邸宅でした。
コレクションの基礎は18世紀に総督ヴィレム5世によって確立され、後にヴィレム5世の子であるオランダ初代国王のヴィレム1世により拡大されています。
もとは邸宅であっただけあり、建物の外観・インテリアの美しさには特筆すべきものがあります。
ダークな色味の壁紙や木のフロアが温かみを感じさせ、時間を忘れて美術作品に没頭できる居心地の良さです。
中心街の池のほとりに建っており、池の側から観たマウリッツハウスの美しさも、また格別です。
デン・ハーグ中心街の水辺に立つマウリッツハウス
マウリッツハウスのハイライト
マウリッツハウスには、オランダの二人の巨匠、レンブラントとフェルメールの時代の絵画を中心としたコレクションが展示されています。代表作の一例は以下の通り:
- フェルメール:「真珠の耳飾りの少女」「デルフトの眺望」
- レンブラント:「自画像」「テュルプ博士の解剖学レッスン」
- パウルス・ポッテル:「雄牛」
- ヘンドリック・アーフェルカンプ:「氷上の遊び」
レンブラントやフェルメールを見逃せないのはもちろんですが、私のおすすめは、アーフェルカンプの絵画です (国立美術館にもあります)。
運河という運河、池という池がすべて凍った、昔の冬の風景が描かれています。
葉が落ちた木々、納屋、跳ね橋、城門、教会等、細部まで楽しめます。
写実的でありながらも、ぽってりと着ぶくれした可愛らしい人々が、「ウォーリーをさがせ!」並みにたくさん描かれていて、ずっと観ていてもまったく飽きません。
マウリッツハウスの所在地・開館時間・入館料
開館時間 | 月曜のみ13:00-18:00、火曜 – 日曜10:00-18:00 |
所在地 | Plein 29, 2511 CS Den Haag |
行き方 | デン・ハーグ中央駅より徒歩で15分弱 トラム (路面電車)なら15番または16番で、最寄りは [Korte Voorhout] |
入館料 | 大人€15.50、19歳未満無料 |
オランダでおすすめの美術館その3:ゴッホ美術館 (アムステルダム)
オランダが誇る19世紀の代表的な画家、ヴィンセント・ファン・ゴッホ。
37歳の若さで自ら死を選択し、それまでの精神的な問題や苦悩には今でも謎が残りますが、それらを感じさせない明るく鮮やかな色使いが、ゴッホの作品の特徴です。
国立美術館の目と鼻の先に立つゴッホ美術館にも、ハイシーズンには入館者の長い行列が絶えることがありません。
ゴッホ美術館 – Photo by Sara Platon
ゴッホ美術館のハイライト
初期の「じゃがいもを食べる人々」、南仏滞在時に描かれた明るい作品「ひまわり」や「アーモンドの花咲く枝」「種まく人」などの傑作を含め、ゴッホの世界を堪能できます。
また、ゴッホが日本の版画を気に入って収集しており、影響を受けたことは、美術館の展示でもフロアをさいて、大きくとり上げられています。
日本人として、ちょっぴり誇らしく思うと思います。
ゴッホ美術館の所在地・開館時間・入館料
開館時間 | 基本的には10:00-17:00ですが、時期により開館時間が違うため、 公式サイトの確認をおすすめします。 |
所在地 | Museumplein 6, 1071 DJ Amsterdam |
行き方 | アムステルダム中央駅よりトラム (路面電車) 2番、5番、12番 [Van Baerlestraat] または3番、5番、12番、バス347番、357番号 [Museumplein] 下車すぐ |
入館料 | 大人€19.00、18歳未満無料 |
1889年の自画像 – Photo by Sara Platon
オランダでのお得な美術館見学方法
アートや歴史が大好きで、オランダに滞在中もできるだけたくさんの美術館や博物館を見学したい方には、ミュージアムカードのご利用がおすすめです。
3日以上の滞在で、ミュージアム中心の観光なら、ミュージアムカードは利用価値があります。
それぞれの入館料にもよりますが、およそ4、5館の美術館に入館することで、もとがとれます。
オランダ国内400以上もの美術館・博物館の選択肢があるほか、歴史的な蒸気機関車とフェリー等の乗り物アトラクションもあります。
大人用ミュージアムカード | €64.90 |
子供用ミュージアムカード | €32.45 – 子供は無料で入館できるミュージアムが多いため、購入前に行きたいミュージアムの料金を確認されることをおすすめします |
この記事でご紹介した国立美術館、マウリッツハウス美術館、ゴッホ美術館の入館料は、合計で€53.50 で、ミュージアムカードのほうが高くついてしまいます。
これ以外にも、オランダならではの魅力的な美術館・博物館をあと1館でも追加すれば、もとがとれます。
たとえば、アムステルダムにあるアンネ・フランクハウスでは、€14.00の入館料がかかりますが、ミュージアムカードを利用すれば€1.00の予約料を支払って予約をとれば、入館できます。
まとめ
アムステルダムとデン・ハーグにある、オランダで必見の美術館3選
- 国立美術館
- マウリッツハウス
- ゴッホ美術館
をご紹介しました。
レンブラントやフェルメールなどのオランダ黄金時代の名作や、ゴッホの人気有名作品を、ぜひお見逃しなく!
国立美術館またはマウリッツハウスへ行ったら、ぜひ私のおすすめのアーフェルカンプ「氷上の遊び」を鑑賞してみてください。
コメント